広島市南区松原町9-1エールエールA館7階

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クリニックブログ BLOG

おとなの治療への質問と回答

Q.

歯医者さんに強いトラウマがあり、恐怖感があります。診察台に座って口をあけるだけでドキドキし、口の周りや顔面が震えてしまいます。痛くない治療は出来ないのでしょうか?

このような症状を「歯科恐怖症」と言います。
対応法としては、①行動変容療法②薬物療法 を行います。
行動変容療法は、小児歯科では非常によく使われます。成人の歯科恐怖症の場合、未知の治療内容に対する不安からくることが多いので、治療内容に対するインフォームド・コンセントを丁寧に行います。これは、患者さんの治療への恐怖心を軽減させることを目的としています。
それでも恐怖心が強い場合には、以下のような「薬物療法」を用います。
●笑気吸入鎮静法
●マイナートランキライザー投与
●静脈内鎮静法
●全身麻酔
それぞれの方法には一長一短があり、患者さんの状態により使い分けることになります。
当院でよく行うのは「笑気吸入鎮静法」です。
笑気という気体を吸うことでいい気分になり、恐怖心はかなり和らぎます。それでも治療への恐怖心が強い場合には、歯科恐怖症の方のために設置されている広島大学病院の「あんしん歯科診療室」に紹介いたします。この診療室は静脈内鎮静や、全身麻酔を行うために麻酔医が常駐しています。
以上の対応以外にも、当院では痛みの少ない麻酔を心がけております。表面麻酔の使用や、ゆっくりと一定で薬液を注入できる電動麻酔器を用いて治療を行うため、痛みはかなり軽減されると思います。
他にも不安なことがありましたら、ご相談ください。

Q.

歯科医院での歯を削る機器の使い回しの記事を読み、不安になりました。そちらの医院ではどうされていますか?

当院では、患者さんに安心して治療を受けていただくために、感染予防対策に力を入れております。
その内容をご紹介します。
①患者さんに直接使用する器具
(1)紙トレーや紙コップ、紙エプロンなどは患者さん毎の使い捨て製品を使用しています。
(2)ピンセットやミラー、バキュームチップ(唾液や水を吸う器具)などは水洗、超音波洗浄、薬剤消毒の後、患者さん毎にパックして高圧蒸気滅菌器(オートクレーブ)にて滅菌を行います。
(3)歯を削る道具(タービン)も使用後に洗浄後、1本ずつパックして高圧蒸気滅菌器(オートクレーブ)にて滅菌を行います。
(4)タービンの先端に付けて歯を削るバーも、超音波洗浄、薬剤消毒の後、高圧蒸気滅菌器(オートクレーブ)にて滅菌を行います。
②診療室の環境
患者さんの診療終了毎に、アルコールで診療台とその周囲を清拭します。
③医療スタッフの対応
全スタッフがマスクを着用し、患者さん毎にグローブを交換しています(必要に応じてゴーグル、フェースマスクを使用)。
このような対策をしておりますので、ご安心ください。

Q.

昨日の夜から、急に奥歯がズキンとします。痛みに波はありますが、ズキンとする時はすごく痛みます。どんな病気、治療になるでしょうか

「奥歯がズキン」となる原因は色々あります。代表的なものをご紹介します。
①むし歯
初期のむし歯は冷たいもの、甘いものがよくしみます。もう少し進行すると熱いもの、さらに進行すると、常に(特に夜間)ズキズキ痛みます。
初期のむし歯の場合、プラスチックや、部分的な金属の詰め物を詰めるだけで終わりますが、進行してしまうと、神経の処置を行った上で被せ物をする必要があります。
②親知らず
親知らずが横向きに生えてきて、その周囲に炎症を起し、「奥歯がズキン」となることもあります。
この場合、薬で炎症を抑え、レントゲン・CT撮影を行い、場合によっては抜歯となるかもしれません。
③咬み合わせの問題
咬み合わせの悪い部分があると、「ズキン」と痛むことがあります。
軽度な場合、少しだけ歯を削って咬み合わせを調節したり、マウスピースを使用して咬み合わせのバランスをとったりします。重度の場合には、抜歯や矯正治療が必要になることもあります。
まずはお口の中を診させていただき、レントゲンを撮れば、痛みの原因が予測できると思います。

Q.

近くの歯科で奥歯の根の治療を受けていますが、数ヶ月たっても痛みが取れません。先生からは根気強く治療するしかないと言われていますが、この状態で完治するのか不安です。本当に良くなるのでしょうか

当院には歯科用CTを備えていますので、撮影して詳細な根管の状態を観察することはできますが、奥歯の根管は非常に複雑な形態をしていることが多く、現状を考えると、当院で治療を受けられても必ず良くなるとは言いきれません。
数ヶ月間治療を受けても良くならないという経緯を考慮すると、歯内療法専門医に相談されることを強くおすすめします。
ただし、自費診療となるため、保険診療と比較して高額になります。

Q.

歯みがきのたびに歯茎から出血があるのですが、どのような病気の可能性があるのでしょうか?

おそらく、歯周病(いわゆる歯槽膿漏)によるものと思われます。
歯周病とは、歯周病菌により歯茎に炎症を起こし、次第に歯を支える顎の骨を溶かしていく病気です。
成人の約8割がかかっていると言われており、進行してしまうと歯を失うことになります。
歯周病治療の基本は、家庭での正しい歯みがきと、定期的なクリーニングです。
歯周病は、むし歯と違い数回の治療で治るという病気ではありません。進行度合いによって来院間隔は異なりますが、歯科医師、歯科衛生士による定期的な専門治療を受け、健康な状態を保つことが重要です。

Q.

最近、食事中、特に冷たい物を食べると痛みを感じます。近くの歯科で、「むし歯ではなく知覚過敏」と言われ、「シュミテクト」を渡されました。しかし一向に改善が見られません。だんだん痛みがひどくなってきているのですが、どうしたらよいでしょうか?

レントゲンでむし歯がないことを確認されているようであれば、痛みの原因はおそらく知覚過敏で間違いないと思われます。
知覚過敏に対し、当院でも「シュミテクト」をおすすめすることは多いです。しかし、シュミテクトは継続的に正しく使用することで、少しずつ知覚過敏を抑える薬であり、即効性はありません。シュミテクトで改善がみられなければ、神経を麻痺させる薬や、しみる部分をプラスチックやセメントなどで直接カバーする方法がよく用いられます。
知覚過敏は歯周病や過度のブラッシング圧が原因で起こります。また、あまり知られていませんが、歯ぎしりやくいしばりによっても引き起こされます。これらが原因の場合、知覚過敏の処置だけでは改善が難しいので、原因となっている病気の治療も受けられた方が良いでしょう。

Q.

ホワイトニングをしたいと思っております。どういった方法があるのか、歯にどんな影響があるのか教えてください

ホワイトニングは大きく2つの方法に分かれます。
①オフィスホワイトニング
歯科医院で歯のクリーニングを行った後に、院内で薬液を歯に塗って漂白する方法。

長所

  • 短期間で漂泊することができる
  • 院内でDrが行うので、特に自分でする手間がかからない

短所

  • 白くはなるが歯の透明感が失われる
  • 後戻りが早い
  • 色の調整が困難

②ホームホワイトニング
歯科医院で作製した専用のマウスピースに家庭で薬液を入れて漂白する方法。

長所

  • 透明感が失われないので漂泊後の仕上がりが自然
  • ある程度漂泊の度合いを自分で調整できる
  • 比較的後戻りがゆっくり

短所

  • 漂白の効果がでるまで時間がかかる
  • 家庭で漂白を行うのでオフィスホワイトニングと比べて手間がかかる

どちらの方法も、薬液を用いて歯の内部の着色を漂白します。そのため、神経(歯髄)を刺激して歯がしみることがあります。歯質に与える影響は、臨床的にはほとんど無視される程度なので、問題はありません。
当院では、効果はマイルドですが、その分不快症状も少なく、また、ご自分のペースで漂白が行えるホームホワイトニングをおすすめしております。

Q.

以前、歯科医院にて顎関節症と診断され、教わった下顎の運動をしていますが、首、肩、顔に痛みがあります。夜中にくいしばりで目が覚めることがありますが、歯に痛みはありません。
今の状態で治療はどのようなものがあるでしょうか

明らかな顎関節症の症状を呈していると思われます。顎関節症は大変厄介な病気で、明確な原因が特定できることはほとんどありません。多くの歯科医師は、ストレスと関連があると考えています。
事実、受験生が顎関節症を発症していても、大学に無事入学してしまうと、すっかり治ってしまうなどの事例に頻繁に遭遇します。くいしばりや歯ぎしりは顎関節症の強力な誘因となりますが、なかなか自発的に止めるのは困難なため、対症療法的にスプリント(マウスピース)を用います。スプリントを用いても改善しない場合には、CTやMRIなどの高度な検査や、より専門的治療(場合によっては手術など)が必要となるため、当院では総合病院の口腔外科専門医に治療の継続を依頼しています。

Q.

下の親知らずが、横向きに生えてきて少し見えている状態です。むし歯になっているのですが、無痛で処置できますか?

おそらく、抜歯が必要と思われます。横向きに生えた親知らずは、麻酔後に歯茎を少し切って、骨を削り、歯を取り出すという処置になります。麻酔が必要ですが、最近では、麻酔注射の痛みをかなり軽減することができます。
しっかりと麻酔をしていれば、歯を抜く際に痛みを感じることは少ないと思います。しかし、押したり力を入れたりといった感覚は麻酔では消えません。顎がだるい、押されてしんどい、といった不快な感覚はどうしてもあります。「注射が怖い」、「歯を抜くのが怖い」などの緊張感や、恐怖心などがある場合は、「笑気吸入鎮静法」によりある程度緩和できます。
一度、レントゲンやCTなどで今の状態を詳しく検査されてみてはいかがでしょうか?

Q.

転倒して上の前歯をぶつけたことによって、歯がグラグラし、歯茎からの出血もありました。
今は歯のグラグラは収まっていますが、今後どのような点に注意したらよいでしょうか?

外傷した歯のその後は、予測が困難です。歯の動揺が落ち着いた後は、長期間の経過観察が必要となります。経過観察中に起こり得る主な問題をご紹介します。
①歯髄壊死(歯の神経が死んでしまうこと)
歯に外部から強い力が加わると、根の先で歯髄(歯の神経や血管)が切断されます。また切断されなかった場合でも、強い炎症が起こります。その後、炎症が治まる、あるいは切断された歯髄が復活した場合、予後は良好となります。
しかし、歯髄が壊死を起こしてしまった場合、長期間放置すると歯の変色や、根尖病巣(根の先の細菌感染)を引き起こすことがあるため、感染根管治療(根の治療)を行います。
歯髄の生死の診断は、歯に弱い電流を流す電気的歯髄診断(EPT)を行いますが、炎症を起こしている期間(受傷後1ヶ月以内)には正しい診断ができません。また、切断された歯髄が復活する場合もあるので、受傷後3ヶ月間は、EPTにより反応がなかったとしても、ただちに治療を行うことはありません。
②硬組織の病変
(1)骨性癒着(歯根と顎の骨が一体化してしまうこと)
歯は顎の骨に支えられていますが、歯と骨の間には歯根膜というクッションの役割をする膜があります。
外傷によってこの膜が失われ、歯と骨が直接くっついてしまうと、長期間にわたり歯が歯根方向に沈下してしまいます。
(2)外部吸収
外傷した歯を体が異物と認識し、歯根が吸収されていきます。
(3)歯根破折
レントゲンで明確な破折が確認できない場合でも、歯根に亀裂が入っていることがあります。その場合、亀裂から細菌感染を起こしてしまいます。

(1)~(3)が起きた場合、
どれも最終的には抜歯となります。

外傷歯は長期間、上記のような経過を見て治療の適否を判断する必要があります。
定期健診の際に、歯科医師にチェックしてもらうようにしましょう。

Q.

治療を受けたいと思っていますが、生後半年の赤ちゃんの面倒をみてくれる人がいません。
そちらに赤ちゃんと一緒に行っても、治療していただけますか?

当院は、各診療室の周囲を広く設計しておりますので、診療台の横にベビーカーを置くことが可能です。
また、スタッフにお任せいただければ、お子さんをお預かりすることもできます。
お子さんに安心して治療を受けていただくというのが当院のコンセプトですので、お子さんをお持ちのお母さんにも、安心して治療を受けていただける環境を提供しております。

Q.

昨日から、食事中に歯の痛みを感じるのですが、まだ転職したばかりで保険証が手元にありません。手続きにもう少し時間がかかるようです。自費でも行くべきでしょうか。

通常、入社してから健康保険証ができるまで、1ヶ月程かかります。
しかし、正式入社日以降であれば、保険証がなくてもカバーされます。医療機関で一旦は10割を支払いいただき、保険証ができたらその医療機関で7割を返してもらうという手順です。
少し煩雑ではありますが、自費になってしまうわけではありません。早めの受診をおすすめします。