口腔機能発達支援について

歯科医院だからこそできる
子どもの成長をつなぐサポートを
しています
当院では、子どもたちの健やかな成長を支援するため、口腔機能発達支援に力を入れています。この取り組みでは、口呼吸が子どもの発達に与える影響について適切に説明し、鼻呼吸の重要性を伝えています。問題を早期に見つけて対応することで、将来的なトラブルを防ぎ、子どもたちの健康と成長をしっかりと支えることができます。
CONSULTATION
こんな場合はご相談ください
- 口呼吸が多い
- 姿勢が悪い
- いびきがある
- 食べこぼしが多い
- 歯並びが悪い
- お口がぽかんと開いている
- 顔つきが変わる
- 舌の動きが悪い
根本から改善を目指した治療
口呼吸にはさまざまな
リスクが伴います
口腔機能発達不全症は、正しい鼻呼吸ができず口呼吸が続くことで引き起こされる可能性があります。長期間の口呼吸は、アデノイド顔貌と呼ばれる特徴的な顔つきの変化や歯並びの悪化、さらには咀嚼や嚥下の仕方、姿勢にも影響を与えることがあります。口腔機能発達支援には、呼吸機能の改善や正しい嚥下の習得、舌の位置や動きのトレーニングが含まれています。
主な口呼吸による悪影響
低位舌によるリスク

低位舌とは、舌が口腔内で正常より低い位置にある状態です。この状態が続くと口呼吸を引き起こし、顔の成長や口周りの筋肉発達に悪影響を与える可能性があります。早期発見と適切な対策が大切ですので、お子さんの口の機能で気になることがあればご相談ください。
主なリスク
- 顔つきの変化
- 咀嚼嚥下機能の低下
- 歯並びへの悪影響
- 姿勢への悪影響
顔つきの変化
子どもが長期間にわたって口呼吸を続けると、「アデノイド顔貌」と呼ばれる顔つきの変化が現れることがあります。これは、常に口を開けた状態でいることで引き起こされる可能性が高くなり、アデノイド顔貌の特徴としては、下顎が後ろに引っ込んだように見えたり、頬がふっくらとしたりすることがあります。また、目の下にクマができやすくなるのも特徴の一つです。特に成長期の子どもの場合、この状態が続くと骨格の形成にまで影響を及ぼす可能性があるため、注意が必要です。
咀嚼嚥下機能の低下
口呼吸は咀嚼や嚥下機能に悪影響を与え、食べ物をうまく噛めなくなることがあります。そのため、十分に噛まずに飲み込むことになり、飲み込みにくさや食べこぼしが増えることがあります。また、咀嚼機能が低下すると「くちゃくちゃ」「ぺちゃぺちゃ」と音を立てて食べる習慣がつきやすくなります。嚥下機能も影響を受け、むせることが多くなり、嘔吐するリスクも高まります。さらに、飲み込むのに時間がかかるため、食事の時間が長くなる傾向があります。これらの問題は子どもの成長に影響を与える可能性があるため、早めの対応が重要です。
歯並びへの悪影響
口呼吸が習慣化すると、歯並びに影響が出て、不正咬合のリスクが高まります。これは、舌が通常の位置より低くなり、口周りの筋肉バランスが崩れるためです。その結果、歯に適切な圧力がかからず、出っ歯や受け口などの不正咬合が発生する可能性があります。特に成長期の子どもでは、これが顎の成長パターンに影響を与え、歯列不正を引き起こすことがあります。
姿勢への悪影響
口呼吸は姿勢にも密接に関係しています。口呼吸が習慣化すると、頭を前に出す姿勢になりやすくなります。これは一般的に「猫背」と呼ばれる状態です。さらに、気道を確保しようとして首を前に伸ばす「猫座」の姿勢もとりがちです。これらの姿勢は口を開ける筋肉が優位に働くため、さらに口呼吸を誘発し、悪循環を生み出します。また、胸を圧迫するため呼吸がしにくくなり、体は酸素を多く取り込もうとしてさらに口呼吸を促進してしまいます。
睡眠時の呼吸への影響

口呼吸の習慣がある子どもは、睡眠中も口を開けたまま寝てしまうことが多くあります。そうすると、舌が喉の奥に沈みやすくなり、気道が狭くなってしまいます。この状態は、いびきや睡眠時無呼吸症候群を引き起こす可能性があり、結果として睡眠の質が低下してしまいます。良質な睡眠が取れないと、成長ホルモンの分泌が十分に行われず、子どもの健やかな成長や発達に悪影響を及ぼす恐れがあります。
主なリスク
- 睡眠時無呼吸症候群
- 成長ホルモンの分泌を阻害
睡眠時無呼吸症候群
睡眠時無呼吸症候群は大人に多いイメージがありますが、子どもにも起こることがあります。この症状は睡眠中に呼吸が何度も止まり、十分な酸素が供給されず、質の良い睡眠が取れなくなる状態です。子どもの場合、大きないびきを伴うことが多く、日中の集中力低下や学習能力の低下につながるリスクがあります。特に、いびきは気道の狭窄を示す重要なサインであり、早期の対応が必要です。
成長ホルモンの分泌を阻害
口呼吸は子どもの睡眠の質を低下させ、成長ホルモンの分泌を妨げる可能性があります。成長ホルモンは主に深い睡眠中に分泌されますが、口呼吸による睡眠障害でその分泌量が減少することがあります。その結果、身長の伸びの鈍化、筋肉や骨の発達遅延、体脂肪の増加、代謝機能の低下などが起こる可能性があります。
すずき歯科小児歯科
矯正歯科の改善方法
機能と形態、両面から
呼吸を改善します
口呼吸から鼻呼吸に改善する方法として当院では、「お口の機能改善」「お口の形態改善」の2方向からアプローチしています。それぞれお子さんに症状に合わせて早期の対策が重要になってきます。
お口の機能改善
お口の機能改善は、主に口腔筋機能療法(MFT)を行います。これは、正しい舌の動きや口周りの筋肉の使い方を習得し、習慣化させるトレーニングです。具体的には、舌の位置や飲み込み方、呼吸法などを改善します。このトレーニングにより、歯並びの改善や矯正治療後の後戻り防止にも効果があります。
お口の形態改善
お口の形態改善は、主に矯正装置を使用して歯並びを整えることで行います。この方法では、歯の位置を徐々に移動させ、理想的な歯列弓の形を作り出します。具体的には、ワイヤーを使用する従来の矯正装置や、マウスピース型の装置を用います。これにより、上顎と下顎の関係を改善し、口腔内の環境を整えることで、自然と鼻呼吸がしやすくなる状態を作り出します。
口腔機能発達支援の目的
トレーニングを行うことで
改善できること
適切なトレーニングを継続することで、子どもの口腔機能だけではなく姿勢や生活習慣が改善されます。結果として、歯並びや顔の形態にも良い影響を与え、全体的な口腔の健康と発達が促進されます。
口呼吸の改善
口腔周囲筋の強化により、自然に口を閉じる習慣が身につき、口呼吸から鼻呼吸へと変化していきます。
いびきの改善
舌や喉の筋肉が鍛えられ、気道が確保されやすくなります。その結果、いびきの原因となる気道の狭窄が改善されます。
口癖の改善
舌の正しい位置や動きを覚え、異常嚥下や舌突出などの悪習慣が修正されます。口がぽかんと開いているなどの口癖も軽減されます。
他にもこのような改善が可能です
正常な舌の位置
正しい舌位置とは、上顎の前歯裏側のスポット部分に舌先を当て、舌全体を上顎に密着させた状態です。これにより、適切な咀嚼・嚥下機能の発達、正しい歯列形成、鼻呼吸の促進など、口腔機能全体の健全な発達が期待できます。
咀嚼・嚥下の仕方
咀嚼・嚥下のトレーニングは、舌の筋力と可動域を向上させます。また、喉頭挙上の改善により、より安全な嚥下が可能になります。口腔周囲筋の機能向上は、食べ物の取り込みや保持を容易にし、嚥下反射の促進により、スムーズな飲み込みが実現します。これらのトレーニングを継続することで、誤嚥リスクの軽減にもつながります。
姿勢の乱れ
トレーニングは、口腔機能の改善だけでなく、姿勢の乱れの改善にもつながります。正しい鼻呼吸を意識することで、自然と背筋が伸び、顎が引かれ、頭の位置が適切になります。これらのトレーニングを継続することで、鼻呼吸が習慣化し、結果として姿勢の改善と全身の健康増進が期待できます。
キレイな歯並び
正しい鼻呼吸を習慣化することで、舌の位置が適切になり、上顎の発達が促されます。また、口を閉じる習慣が身につくことで、顔面筋の適切な発達も促進されます。これらの効果により、歯列弓の形成が正常化し、結果として歯並びの改善につながります。
よくあるご質問
子どもの口呼吸は自然に治りますか?
口呼吸は自然に治ることは稀です。早期に適切な対策を取ることが重要です。MFT(口腔筋機能療法)などのトレーニングや専門医による治療が必要になっていきます。MFTは口腔周囲筋のバランスを整え、正しい舌の位置や飲み込み方を習得するのに役立ちます。また、呼吸法の指導や口腔機能の改善を目的としたさまざまな運動療法も含まれます。これらのトレーニングを継続的に行うことで、口呼吸の改善が期待できます。
トレーニングは毎日行う必要がありますか?
トレーニングは毎日行うことが非常に重要です。短時間でも構わないので、毎日継続して行うことで、口腔周囲筋の機能改善や悪習慣の修正につながります。これにより、口腔内の健康が向上し、全体的な生活の質も改善されるでしょう。日々の積み重ねが大きな変化をもたらすため、根気よく取り組むことが大切です。定期的なトレーニングを通じて、より良い口腔環境を手に入れることが可能になります。
トレーニングは痛みを伴いますか?
口腔周囲筋を適度に動かすトレーニングであるため、トレーニングでの痛みはほとんどありません。ただし、初めのうちは筋肉に軽い疲労感を感じることがあります。この疲労感は、筋肉が新しい動きに慣れる過程で生じるもので、時間が経つにつれて次第に軽減されていきます。継続的にトレーニングを行うことで、筋肉が強化され、より快適に運動できるようになります。