大人の治療に関する質問

Q.外傷歯の予後
3か月前に転倒して上の前歯をぶつけ歯がグラグラしました。その際歯ぐきからも出血しました。現在では歯のグラグラは収まっていますが、今後どのような点に注意したらよいでしょう?

A.回答
外傷の予後は非常に不安定で、予測が困難です。受傷直後の為害作用(外傷力で歯が抜けてしまうとか、位置がずれてしまうとか、割れてしまって神経が露出するなど)をなんとか治療した後は大変長期間の経過観察が必要です。経過観察中に起こりうる主な問題は以下の2点です。

1.歯髄壊死(歯の神経が死んでしまうこと)
 歯を栄養する血管は歯根の先にある非常に小さな穴(根尖孔)により外部と交通しているため強い外傷力を受けると容易に切断します。また切断しないまでも生理的を超える力により歯髄組織は著しい炎症反応を呈します。外傷後に一過性に歯冠部分が赤色っぽく変色するのはこのためです。その後、炎症が治まる、あるいは切断された血管が復活するなどするとこの変色は自然に治癒します。このような治癒機転をとった場合には予後は良好となりますが、多くの場合歯髄腔の狭窄を来し、若干の色調変化が起こります。
 逆に歯髄組織の炎症が治まらなかった場合、あるいは切断された血管が復活しなかった場合には歯髄組織は壊死を起こします。歯髄が壊死した場合でもただちに大きな問題は起こりませんが、感染根管治療(いわゆる根の治療)を行わず長期間放置すると、歯冠の変色や根尖病巣(根の先できた感染巣)を引き起こします。そのため、一般的には歯髄壊死が確認できたら、感染根管治療を行います。
 このような歯髄の生死の診断は、歯に弱い電流を流して痛みを誘発させる電気的歯髄診断(EPT)を行うほかありませんが、歯髄が著しい炎症を起こしている期間(受傷後1か月以内)には正しい診断をすることができません。また、いったん切断された歯髄組織が復活する場合もあるため、外傷を受けた後3か月間はEPTにより反応がなかったとしても、ただちに感染根管治療を行うことはありえません。

2.硬組織の病変
骨性癒着(歯根と顎の骨が一体化してしまうこと)ー歯根は非常に脆弱で薄いスポンジのような歯根膜線維を介して歯槽骨に支えられています。外傷力により歯根膜が失われた場合、歯根と歯槽骨が直接接することになり、骨性癒着が生じる可能性があります。骨性癒着の発生やあるいはその進行を防ぐことは不可能です。骨性癒着した歯は長期間にわたり歯根方向に沈下していき、最終的には抜歯せざるをなくなります。ただし骨性癒着を起こすことで、痛みがなどの症状はありません。
外部吸収ー歯根膜が障害を受けた場合には生じる可能性があります。あたかも乳歯が生え替わる際のように永久歯の歯根がどんどん吸収されていき、最終的に歯が脱落します。その発生、進行を防ぐことは不可能です。また外部吸収でも症状はありません。
根尖病巣ー歯髄壊死を長期間放置すると歯根の先端(根尖)に病巣を生じることがあります。レントゲンでは根の先が黒く抜けたようになります。これは歯槽骨が溶けてできた空洞に膿などが溜まっていることを示しています。いったんできてしまった根尖病巣を治療するよりも、壊死した歯髄を取り出す方が治療が楽なので、一般的には根尖病巣を認めなくても、歯髄壊死が確認されれば治療を行います。また外傷により歯根が破折することが原因で根尖病巣が生じることもあります。通常の根尖病巣は、まさに根の先っぽにできますが、根破折が原因の場合には根の中間にできるので鑑別は容易です。根破折が原因の病巣の場合、治療は極めて難しいか不可能です。病巣が大きい場合には抜歯の適応です。

いずれにしても上記のような経過を見て治療の適否を判断することは患者様ご自身には不可能なので経験豊富な歯科医師に定期的に診断をあおぐ必要があると思います。

おとなの治療への質問と回答

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